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瓦葺き

粘度を成形して焼いた屋根材で、形によって和瓦と洋瓦に分けられます。

また、いぶし瓦陶器瓦塩焼き瓦などの製法があります。

瓦葺きは耐火、防水、断熱、遮音性に優れていますが、重量があり、衝撃によって割れやすいのが欠点です。

和瓦平瓦を主体とし、軒や棟に補助的な瓦を組み合わせて使います。

洋瓦半丸形の瓦を交互に組み合わせるスパニッシュ瓦と、平板で中央に溝が付いたフランス瓦の2種類があります。

また、スパニッシュ瓦の施工を容易にしたS字瓦も広く使われています。

いぶし瓦黒灰色の伝統的な和瓦です。

陶器瓦和瓦も洋瓦もあり、さまざまな色が揃っています。

塩焼き瓦焼き上がる直前に塩を入れて焼いた瓦で、赤褐色をしています。

和瓦も洋瓦もあります。


●金属板
鋼板、銅板、アルミニウム板、ステンレス板などの種類があります。

葺き方は、長方形の平板を横長に葺く「一文字葺き」と、棟から軒先にかけて棒を並べたように葺く「瓦棒葺き」が代表的です。

金属板は、加工しやすく、施工性がよいのですが、さびやすいという欠点があります。

また、銅板やステンレス板はかなり高価です。

一般の住宅には、表面に塩ビ塗料などを焼き付けてさびを防いだカラー鉄板がよく使われています。


●スレート
本来は玄昌石を材料にした、薄い板状の屋根材です。

一般的に普及されているのは、彩色スレートで、セメントと繊維を原料としてつくられており、軽量で施工も容易、色数も豊富なので、現在最も多く使われている屋根材です。


●アスファルトシングル葺き
無機質繊維の基材にアスファルトを塗覆し、表面に鉱物粒(細かい砂利)を付着させ、着色した板状の屋根材です。

防水性、耐震性にもすぐれ、曲面や複雑な屋根にも施工しやすいのが特徴です。




●屋根材の特徴・各素材による特徴

種類
デザインやコストなどの特徴
メンテナンス
葺き替え時のポイント

・瓦葺き
瓦はほかの屋根材よりも高価ですが、それだけに高級感があります。

特に和瓦を純和風家屋の大屋根に葺くと、大変ぜいたくなつくりになります。

また、複雑なデザインの屋根には、鮮やかな色の洋瓦を使うと陰影が出て華やかです。

台風などで瓦がずれると、そこから雨水が侵入してしまいます。

瓦がずれたら、下から順番に押し上げるようにして、引っかけ桟にかけていきます。

古い瓦屋根は、引っかけ桟が腐っていることが多いものです。

定期的に点検し、桟や瓦の異常を早めに修理すれば、数十年も葺き替えずにすみます。


・金属板葺き
金属板葺きの屋根は、瓦葺きに比較すると非常に軽く、ゆるやかな勾配にしても問題ありません。

また、曲げたり切ったりといった加工が容易なため、ドームなどの曲面や複雑な形状の屋根にも対応できます。

軽快でもモダンなデザインの建物にはうってつけの材料です。

ただ、金属板は裏面が結露しやすいので、設計段階で小屋裏換気が十分にできるようにしておくことが大切です。

金属屋根が部分的にさびている時はまずワイヤーブラシなどでさびを落として、サンドペーパーをかけておきましょう。

この上に一回り大きく切った金属板を合成ゴム系接着剤で張り付け、乾燥したらペンキを塗ります。

全体にさびが出てしまった時には、専門の業者に依頼して葺き替えなければなりません。

耐用年数を長く保つには、2、3年ごとに塗料を塗り替えましょう。

塗装をする前には、全体の汚れやさびを落とすことがポイントで す。


スレート
平板状のほかに、洋瓦の形をしたものもあります。

どちらも軽量で、鮮やかな色から落ち着いた色まで、豊富な色数が揃っています。

石綿セメントは、現代的な和風デザインにも洋風デザインの家屋にも合う屋根材ですが、比較的吸水性が高いので勾配の大きな屋根に使ったほうが安心です。

石綿セメント系の屋根は耐久性があり、半永久的に変退色しません。

ただ、棟板や軒先など、一部には金属板を使用しているので、この部分はさびを落としたり塗装をし直す必要があります。

3年に1回程度金属部分の点検をしていれば、建て替えるまで葺き替えの必要はありません。

リフォームなどで、屋根全体を石綿セメント系の材料に葺き替える場合は、専門の業者に依頼しましょう。


アスファルトシングル葺き
金属板同様に軽くて施工性に優れていますが、砂によって表面に着色をしているため、金属板とは違った落ち着きと柔らかさがあります。

ゆるやかな勾配の屋根にも使え、住宅の印象が軽快になります。

ただ、この材料は可燃性のため、防火指定のある地域では使用できません。

比較的耐候性に優れている屋根材ですが、紫外線によって変質することがあります。

下から見上げて、はがれやふくらみがあったら、修理を依頼しましょう。

修理や葺き替えは専門業者に依頼します。

日ごろから傷んだ箇所をチェックするようにしておきましょう。

特に複雑な形状の屋根は、隅々まで見落としがないように注意が必要です。


●材料によるコスト
屋根材の坪面積あたりの価格は瓦が最も高く、ついでスレート系、金属板、アスファルトシングルとなります。

ただ、金属でも銅やステンレス屋根は非常に高価です。

この中から何を選ぶかは、予算や住宅のデザインにもよりますが、耐用年数やメンテナンスのしやすさも重要なポイントになります。

例えば、高価な瓦でも上質なものは100年も持つことがあります。

その間に葺き替えをしないですめば、一概にコストがかかるとはいえません。

また、銅板のように時間がたてばたつほどよい味が出る材料もあります。

屋根材を選ぶ時には、竣工時のコストや見栄えのよさだけでなく、長い目で見ることも必要です。


●デザインによるコスト
屋根は同じ材料を使用しても、デザインによって坪当たりの単価が違うものです。

入母屋造りが最も高価で、寄棟、切妻の順に安くなります。

また、軒の出を深くしたり勾配を急にすると、屋根面積が増えてコストは高くなります。

もちろん、複雑な形状や曲面にする場合も予算を大目に見ておかなければなりません。

住宅コストを考える時には、材料以外に屋根の形状や勾配も検討しないと、予算の配分が難しくなってしまいます。


●メンテナンスの重要性
屋根は風雨や直射日光から住宅を守る部分なので、住宅の寿命は屋根によって左右されるといえます。

厳しい自然環境にさらされる部分だけに、傷んだ箇所は早めに修理しておきたいものです。

簡単なメンテナンスを怠ると、下地から張り替えることになり、思わぬ出費がかさみます。

3年から5年に1度、防水性、断熱性、通気性等の機能が低下しないうちに点検し、必要があればメンテナンスやリフォームを行いましょう。
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屋根建材の種類とその耐久性と品質


1.屋根建材の種類とその耐久性と品質について

住宅の屋根材に使用される建材は、大きく4種類に分けられます。


〔粘土系〕
釉薬(ゆうやく)瓦:プレス成形した瓦形の素地に釉薬を施した瓦。
色や形のバリエーションが多い
無釉(むゆう)瓦:釉薬を施さない瓦。
焼き方や素材の違いなどで、いぶし瓦、素焼瓦、練込瓦、窯変(ようへん)瓦などがある
〔スレート系〕
天然スレート:玄昌石(げんしょうせき)を材料にしたスレート。
退色せず、黒くツヤのある自然の色と重厚感のあるテクスチャーが特徴
彩色スレート:セメントに繊維を混入して強化した薄い板状の素材。
軽量で施工性が良く、色や形のバリエーションが多い。
厚みも4ミリから14ミリまでそろっていて、安価なため普及している

〔セメント系〕
プレスセメント瓦:セメントと細骨材(砂)のモルタルが原料の瓦。
スレート系より厚みがあるため、重厚感がある。
形状のバリエーションが多い
コンクリート瓦:プレスセメント瓦よりセメント比率が低く、押し出し成形方式で形を作っている

〔金属系〕
金属系は軽量なので、建物に対して構造的な負担が少ない
鋼板:鋼板には防錆(ぼうせい)のために表面処理したものや、素材の耐食性が高いものがある。
トタンやガルバニウムなどが代表的
非鉄金属:アルミニウム合金板、銅板、チタン板など。
安価で一番普及しているのがアルミニウム合金板で、高価だが耐食性が高いのは銅板とチタン板
耐久性については、屋根材に施されたメッキや被膜の種類、建物が建っている地域の気象条件、敷地条件などが大きく影響するため、一概には答えられません。


上記の屋根材を、素材の耐久性という切り口だけで比較した場合は、粘土系とセメント系の瓦、天然スレート、非鉄金属の銅板やチタン板が優れているといえます。

具体的なメンテナンスの方法や期間については、メーカーに問い合わせてください。


2.間違いのない施工業者の選び方

屋根工事に限らず、施工業者を選ぶ際は、必ず数社と並行して話を進めてください。

最初に現場調査を依頼して、既存の屋根の状況、問題点、解決法について各業者の見解を聞きます。
その後、工事内容と範囲を決め、屋根材を含む各部材の選定、見積書の作成という流れになります。
その過程で、施主からの質問や疑問に対して、明確な答えが返ってこない、見積書の内容があいまいである、契約を急がせるなど不審な点が見つかれば、その施工業者を候補から外します。
こうして比較検討の上、1社に絞っていけば、大きな間違いに陥ることはありません。
ちなみに施工後に部分的な施工ミスが見つかった場合でも、その瑕疵(かし)を認め、速やかに補修を行う工務店であれば、業者選びに失敗したことにはなりません。


3.瓦、メタルルーフ(金属)、コロニアル(彩色スレート)の施工方法の違い

施工方法と言っても、屋根材以外に屋根形状、勾配、葺(ふ)き方によっても違いがあるため、要約して説明することは困難です。

基本的なことであれば、(財)住宅金融普及協会発行の「木造住宅工事共通仕様書」の屋根工事の項目で、下葺(ぶ)き、金属板葺き、粘土瓦葺き、厚型スレート葺き、屋根用化粧スレート葺きという分類で解説がされていますので、参考にしてください。

また、具体的に屋根材が決まった段階で、そのメーカーから設計・施工マニュアルを取り寄せて確認すれば、より分かりやすいと思います。


4.雨樋(とい)の選び方

樋については、素材によって2種類が挙げられます。

〔硬化塩化ビニール雨樋〕
さびや腐食が生じず、酸やアルカリに強く、軽量で施工性も良いというメリットがある。
一方で、温度の変化によって変形したり、寒冷地などの低温による強度低下などのデメリットもある。

〔金属板製樋〕
金属系の屋根材と同じく、金属や塗膜の種類によって寿命が違ってくる。
樋の接合部をハンダ付けする場合は、そこから腐食することがあるので、適切な補修塗装を行う必要がある。
樋は屋根面に比べて水はけが悪く、土砂や葉などが堆積しやすいため、傷みの進行が早い。
屋根材より素材を厚くするか、メッキ量の多い、より耐久性の高い素材を選ぶ必要がある。
屋根の葺き替え工事については、ここ数年トラブルが増大しています。
そのほとんどが、工事会社の担当者と1、2回会っただけで、仕様書や見積書、果ては契約書すらなく、いきなり工事に着手し、一方的に工事費を請求されたというものです。

「2.間違いのない施工業者の選び方」で説明した方法で慎重に施工業者を選びさえすれば、3や4については、施工業者から資料の提示や詳細な説明を受けることができます。
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屋根の形状と素材

住宅を建てるのなら、屋根にもこだわりたいですね。

住宅の屋根には、大きく6つの種類があります。

・切妻(きりづま)
・寄棟(よせむね)
・入母屋(いりもや)
・片流れ屋根・陸屋根(ろくやね)
・方形屋根(ほうぎょうやね)

切妻屋根とは、面を2枚合わせた形状をしています。

シンプルなので、コストもかからずもっとも一般的な屋根です。

寄棟や方形も代表的な形状で、屋根の面は4面。

寄棟が長方形なのに対し、方形は正方形という違いがあります。

入母屋とは、神社仏閣などの使われる下地の構造が複雑な屋根のことです。

片流れとは、1面を傾けた形状の、シンプル極まりない屋根です。

排熱効果が高くてローコストが特徴。

陸屋根とは、流れを作らない水平な屋根のことです。

鉄筋コンクリートの建物でよく使われます。

屋根を選ぶにも、敷地や予算によって制限を受けます。

軒先は、万能サンバイザーです。

熱い夏、日差しの角度は60〜80度ですが、暑さが恋しい冬になると、日差しは30度まで落ちます。

これを一挙に解決するのは軒先の長さ。

ある程度長くすることが快適な生活には欠かせません。

とくに太陽の影響が強い南側の軒先は90センチは必要と言われています。

北の地方では、夏の日差しは心配しませんが、冬の雪対策は重要です。

雪の多い地方では、冬の雪捨て場の確保がたいへんなんです。

敷地が狭い都市部では、十分な雪捨て場が確保できないことと、屋根の雪による事故を防止する意味で、陸屋根を採用している住宅が目立ちます。

地域の特性と言えますね。

どんな家であっても、屋根はなるべくシンプルに作るようにします。

接続部分が多いほど、将来的に痛みが大きくなります。

継ぎ目から雨漏りなどを起すのです。

具体的には、屋根の流れは同方向に統一するのが望ましいですね。

雨漏りしやすい屋根の代表各は、切妻屋根。

南北に向いている屋根に対して、東西向きに屋根を接合しているケースをよく見かけます。

土地形状の制約があったとしても、傷みやすい構造に作ってしまっては、本末転倒です。

材料も地域などによって絞られることがあります。

金属系の屋根は、軽量で耐水性に優れているので、雪の多い地方に向いています。

反面、薄い金属は音が響くので、雨の降る夜はうるさくて寝苦しいことも。

瓦は、防火・放水に優れた素材ですが、重量が重いので安定性に不安が残ります。

軽さ・コストなどを考慮すれば「石綿スレート」という選択肢がありますが、耐久性が劣るためにマメなメンテナンスが必要になります。
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