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欠陥住宅の裁判について

欠陥住宅であるかどうかの紛争はできるだけ迅速に建築専門家や生活消費者センター、住宅紛争処理支援センター等の公共機関に相談する事で建築会社との話し合いがスムーズになります。

しかし場合によっては裁判で争う事になった時の事も考えておきましょう。裁判は、一般的には欠陥住宅被害を受けている建物がある管轄地方裁判所または相手業者の所在地を管轄する地方裁判所にて行ないます。

また全国規模のハウスメーカーでは契約書などに管轄の指定が記載されていることもあるので、その場合は該当する地方裁判所ということになります。

欠陥住宅裁判はあくまでも民事裁判なので、どちらが原告でも被告でもあまり関係ありません。

起こした方が原告で、起こされた方が被告となるわけですが、最終的には供給側(建築会社)に対する責任を追及するスタイルで進行いたします。

医療裁判などと同様に欠陥住宅裁判は極めて専門性が高い事に加えて、建築関連の法律が曖昧であったり、欠陥に気づくまでの時間経過が数年経過後であったりするため、簡単なものではありません。

また東京地裁のように専門部(民事22部)が置かれている裁判所はまだ良いのですが、その他の地域における裁判所は未だに多くの時間がかかっているのが現実のようです。

一説には欠陥住宅の裁判は平均2年〜4年かかっていると言われているほどです。

欠陥住宅の訴訟に必要な費用は1、印紙代2、弁護士費用3、欠陥調査費用があり、印紙代や弁護士費用は裁判の内容や求め「金額」によって変わってきます。

住宅の価格として4000万円程度であれば、これらの費用の合計は約300万程度になります。

裁判で勝訴すればこれらの費用は、ほぼ相手方から損害として回収出来ますが、裁判が決着するまでには前述のとおり2年〜4年は覚悟しなくてはなりません。

仮に裁判で勝訴したとしても、相手の建築会社が倒産してしまっていれば、判決で認められた損害賠償金額を現実には手にする事が出来ない上に訴訟の際に出費した費用さえ回収出来ない事もあります。

現実はかなり厳しいようです。

欠陥住宅裁判は争点の絞り方が重要となります。

争点を間違えてしまうと勝てる裁判も負けてしまうことになります。

また争点は出来るだけ法的な部分で争い、表面的かつ主観的な部分はなるべく避けることがポイントです。

紛争が起きた時点で欠陥住宅問題を多く手がけている弁護士、ハウスインスペクターと言う建物診断の出来る人や構造計算などが出来る設計事務所などに相談して対策を立てて客観的な証拠を集める事が大切です。
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欠陥住宅とは?

テレビなどで採り上げられて、一度は耳にした事がある欠陥住宅とは一体何でしょうか? 欠陥住宅とは、建築業者による重大な施工ミスにより発生し、基本的に建物にあるべき部品を本来あるべき状態で取り付けていない、施工されていない状態の住宅であると言えます。

ちょっと難しい表現では、「瑕疵(かし)の存在により、安全性や経済的交換価値が損なわれた住宅」と定義する人たちもいます。

瑕疵とは民法の中では「隠れたキズ」と言う曖昧な表現が使われていて、司法の判断で瑕疵は認定されるものとされていましたが、平成12年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」において「目的物が契約に定められた内容や社会通念上必要とされる性能を欠いていること」と定義されました。

よって欠陥住宅とは「契約通りに建てられていない住宅、契約に無くても社会通念上、住宅として必要とされる性能が満たされていないため安全性に問題があったり、欠陥があるゆえに売る事も出来ず、価値が損なわれた住宅」という事になります。

しかし「契約に定められた内容」となりますとかなり広い意味があり、主観的な部分も含まれてきます。

また「社会通念上必要とされる性能」と言っても、建設業界と一般の人の間における社会通念のズレもあるため、簡単に線引きができずに紛争になることも少なくありません。

サッシの施工不良による少量の雨漏れ、更には構造そのものの欠陥など様々なケースがあり、その対処方法や価値判断も異なります。

欠陥住宅の例として代表的なものは

1、
床の不陸(傾き)新築で既に床の不陸が起こってる場合、手抜き工事が原因で重要な柱が土台に着かず、浮いた状態になっている可能性もあります。

2、
腐食・錆(塗装) 外装など屋外部の塗装がきちんとしていないと木が腐食したり、金具が錆びてしてしまいます。

鉄用、室内用の塗料を屋外でそのまま使用したり、きちんと錆対策がされていないために起こります。

3、
漏水 床下に水がたまった状態の事です。

そうなると床が湿気で反って不陸状態になったり、カビが繁殖してしまいます。

水が溜まる原因は雨漏り、 配管の損傷、結露などさまざまです。

4、
クラック(ヒビ・亀裂)壁や土台にヒビや亀裂が入ることをクラックといいます。

表面に生じた小さなひびを"ヘアークラック"といい、 設計・施工上の欠陥によって内部から生じたひびを"構造クラック"と言います。

日本の基準では0.25ミリ以上のヒビには補修が必要とされています。

なぜならヒビに水が入り鉄筋を錆びさせてしまい、 強度が下がってしまうからです。

もしもご自分の家が欠陥住宅ではないかと疑問を持ったら、住宅紛争処理支援センター(http://www.chord.or.jp/shienc/index.htm)などの第3者機関に相談すると良いでしょう。

どこまでが欠陥なのかを判断するのは難しく、当事者同士で話し合いがつかない場合も往々にしてあります。

トラブルの最中では双方共に冷静さを欠いていますから、利害の絡まない第3者の支援を仰ぐのが賢明です。
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欠陥住宅はなぜ起きるのか?

工場で造られる自動車や家電製品と違って住宅は大工さんや職人さんが現地で人の手によって造られる物です。

また、工業製品とは比べ物にならないほどの多くの部品・部材で構成されており、殆どの工程は人の手でそれも沢山の人たちが関わるため、故意ではなくとも不具合・欠陥が起こりやすい状況にあります。

欠陥住宅や、その原因となる手抜き工事が起こる要因は発注形態による問題(コストの圧迫・監理体制の弱体)と技術力不足による問題の2点に大きく分けられると考えられます。

最近では昔と違い平成12年に「住宅の品質確保の促進に関する法律」(通称:品確法 ひんかくほう)が施行され、悪意や故意で発生すると言う事は少なくなりました。

どちらかと言えば、設計者・施工者・職人さんなどの造り手側の無知、知識不足や軽率な対応から発生する方が多いのではないでしょうか。

品確法が施行された今でも、建築のアマチュアである一般の人には解りにくい住宅そのものの構造関係や壁に隠れて見えなくなってしまう下地材などで、建築会社の利益確保のための手抜き工事がまだまだ一部では横行し、将来欠陥住宅につながったり、地震などの震災に耐えられない不安定な建物や耐久性のない建物になったり、安心することはできません。

また、役所や民間の検査機構の検査も書類だけの、うわべだけの検査で合格しているのが実情です。

この事はマンションの耐震偽装問題などで報道されたのでご存知の人もいる事でしょう。

欠陥住宅や手抜き工事があると、建物が完成してから手直しを行ったり、建築会社と紛争になったりと大変な労力と神経を使います。

建築会社まかせにせず、建築主自身が対応策を行うことで、建築会社が認識し、しいては欠陥住宅を防ぐことにつながります。

工事が着手されるまでに、予防策として建築会社に書面にて施工面での不確定事項や手抜き工事が起こりやすい箇所などを、建築会社がどの様に施工するのか事前に確認すること、工事中には現場に足を運びデジタルカメラにて施工状況の記録を残すなどの自己防衛をするなども検討してみましょう。

これらを全て自分で行うのは大変と言う人は、専門家である設計事務所に中立な立場での監理を依頼して欠陥住宅や手抜き工事の防御策を講じることをお勧めいたします。
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