光ダクトシステム

光ダクトシステムは一度実際に見てみるとその鮮やかさに驚かされます。
光ダクトシステムとは直接日の当たらない空間や、窓のない空間、もしくは、窓面から離れた場所に対して自然の光を入れ込むシステムです。
光ダクトを使用し、高反射率ミラーで構成されています。
光ダクトシステムの最大のメリットは、自然の太陽光を日の当たらない様な空間や部屋でも採り入れることができる点です。
最近では省エネやエコへの関心が高まってきており、自然光を活用できるこの光ダクトシステムは最近注目を集めてきてます。
光ダクトシステムのその他メリットとしては、複雑な制御装置を使わず自然光な為、電気・照明等を使った導入・運用コストと比べて安い点。
光ダクトシステム導入時に注意したいのは、一度取り付けると取り外しや交換は簡単にはできないこと。
そして、設計の段階で気をつけることとしては、ダクトの形状がすぼめる構造にならないこと。
太陽の光が直接ダクトの採光口にあたること。
屈曲を繰り返す構造ではないこと。
一つの光取り入れ口から多所に渡り分配することは可能ですが、分配する分だけ光度は弱くなるということ。
等が挙げられます。
この辺は専門業者も見てはいるとは思いますが、最低限、この辺の注意は自分でも怠らないようにしたいところです。
また、使用する光ダクトの部材によっては、紫外線を反射させない鏡もあり、これによって、自然光を取り入れたことにより日焼けをすることは殆どありません。
そして、光ダクトシステムは一度導入してしまえば、メンテナンス・維持費は殆ど掛かかりません。
これは密閉されたダクトを使用するので、中に汚れが溜まるということも無いですし、機械と違って故障するということもまずありません。
導入を考える際には、この辺の知識を持って専門業者さんと話をしてみると、より一層理解が深まるでしょう。

ゼロエミッションハウスとは

ゼロエミッションハウスとは、日本の42の会社・団体の43種の工業技術、エネルギー・環境システムの優れた技術を使用した施設面積が約２８０平方メートル（住居側：約２００平方メートル、足湯コーナー側：約８０平方メートル）近未来型住宅です。
ゼロエミッションハウスは日本の各分野の職人の皆さんの卓越した物づくり、技術の結集ともいえます。
2008年7月7日〜9日(3日間)に開催された北海道洞爺湖サミットで政府が主催する「環境ショーケース」の一環として洞爺湖サミットの国際メディアセンター（ＩＭＣ）となったルスツリゾートホテル内の屋外駐車場に住宅メーカーとして世界最大規模の積水ハウスがつくりました。
ゼロエミッションハウスは94年の国連大学学長顧問、ゼリ財団（現グローバル・ゼリ・ネットワーク）を創立したグンダー・パウリ氏と国連大学が提唱している「産業から排出される全ての廃棄物や副産物を他の産業の資源として活用し、全体としていかなる形の廃棄物を生み出さない統合化された生産」というコンセプトをもとに開発されました。
グンダー・パウリ氏が提唱しているゼロエミッションは「多種多様な生物たちの関係に見る、いくえもの相互関係によって物資が循環している生態系から、ごみとなるものは一切ない」という着想から進められている世界規模のプロジェクトです。
近未来型住宅には「制震フレーム・シーカス」と呼ばれる、地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変えて吸収するシステム、外壁には「光触媒防汚塗装・タフクリア-E」を使いました。
光触媒防汚塗は雨で塗装面の汚れが洗い流せ、光が当たると空気中の窒素酸化物を分解するため大気を浄化する作用があります。
外壁やアプローチの階段には太平洋セメントが1997年に開発した「エコセメント」、外壁の断熱ボードにはアキレスが2008年中の販売目標に開発中の「ハイブリッド断熱ボード」が使われました。
またゼロエミッションハウスの北西面の屋根には「瓦型緑化屋根」と呼ばれるスナゴケと屋根材を組み合わせたシステムを取り入れました。
苔の一種であるスナゴケは乾燥に強く二酸化炭素を効率よく固定化するため、屋根面の温度上昇を抑えながらCO2削減効果も期待できるとされています。
この他、ゼロエミッションハウスには日中の照明用電力消費の低減を目的とする「光ダクトシステム」や、外気清浄フィルター機能が付いた24時間機械制御方式の換気システム「アメニティ換気システムII」など住まう人の健康と快適さも考えられたエネルギー消費量の低減システムが設置されました。
ゼロエミッションハウスで公開されたシステムと製品には販売予定の物もあり、環境問題の改善に期待が持たれています。

省エネ達成率110％以上のエアコン

省エネ達成率110％以上のエアコンは2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットで公開された「ゼロエミッションハウス」に設置された東芝のルームエアコン「大清快RAS-402BDR」が話題となりました。
石油や石炭など化石燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素の大量放出が原因となって環境に深刻な温暖化の影響が及ばないための工夫、最新の技術が結集されたゼロエミッションハウスに省エネ型家電の代表とも言える省エネ達成率110％以上のエアコンが設置されたのです。
毎日の生活の中で消費するエネルギーと地球温暖化には密接な関係があり、とくに家電製品やガス・石油を使用する機器などには省エネ性能の向上が求められています。
このような中で洞爺湖サミットでデモ展示された省エネ達成率110％以上の東芝のエアコン「大清快RAS-402BDR」は、その高度な省エネ性能に関心が集まりエアコンの買い替えを考えている消費者が省エネ達成率110％以上のエアコンを選ぶきっかけとなりました。
それではこの省エネ達成率とは、どのような基準なのでしょうか。
省エネ達成率は「省エネ基準値÷その製品のエネルギー消費効率×100」という計算式で算出しています。
省エネ基準値と同じエネルギー消費効率でエアコンが機能すれば省エネ達成率は100パーセント、省エネ基準値を上回れば、省エネ達成率は100パーセントを超えます。
例えばエアコンの省エネ基準値が6.0で、エアコン自体のAPFが6.1の場合、6.1÷6.0=1.0111……で、省エネ達成率は「101%」で基準を上回る性能となります。
（APFはエアコンの形状や冷房能力によって設定されたエネルギー消費効率の基準値です）家庭で最も電気を消費する家電製品のエアコンを省エネ達成率110％以上のエアコンに買い替える場合や新たに購入することは省エネ性能が高い製品を選ぶことになり二酸化炭素の削減に役立ちます。
このように省エネ達成率110％以上のエアコンを選ぶことで熱費の節約ができますし地球温暖化防止に貢献することになります。

2008年7月現在で販売されている省エネ達成率110％以上のエアコンには
「シャープ　KIREION（キレイオン）　省エネ基準達成率（2007年)：110%」
「東芝　大清快　省エネ基準達成率（2007年)：111%」
「日立　ミストで清潔 ステンレス・クリーン白くまくん　省エネ基準達成率（2010年)：116%」
「三菱電機　霧ヶ峰ムーブアイ　省エネ基準達成率（2010年)：116%」
「富士通ゼネラル　 nocria（ノクリア） Z　省エネ基準達成率（2007年)：120%」
「日立　ミストでうるおい ステンレス・クリーン 白くまくん　省エネ基準達成率（2007年)：130%」
「ダイキン　AN50JSP　省エネ基準達成率（2007年)：130%」
「ナショナル　CS-50RJX2　省エネ基準達成率（2007年)：133%」
などがあります。
洞爺湖サミットで展開されたゼロエミッションハウスをモデルとして発信された省エネとエコロジーの生活スタイルは私たちの消費スタイルにも大きく影響をあたえたようです。
省エネ達成率110％以上のエアコンのように初期投資が多少大きくても、省エネ効率の高い電化商品を求める消費者が増えていくのだと思います。